お前のために歌うから。
「や、俺 マネージャーに頼んだから席 知らねーの。つーか贅沢言うなよ」

「ごめんごめん」と謝るあたし。



でも嬉しい…。


すると瞬がまた真剣な表情になる。
 

「どう…したの?」彼のことを見上げる。


「明日…絶対 心菜のこと見つけるから」

「無理だよ、こんな遠いし 人も満員なのに…」

「は?俺の視力 なめんな」


そんな、無茶だよ…。


「見つけたら俺と付き合って…?」


え?


何それ。

うん ってしか言えないじゃん。


そんなの ずるいよ。



「うん…いーよ」俯いたまま頷く。

「おっけ、頑張る」瞬が嬉しそうに笑った。
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