お前のために歌うから。
そしてスキー旅行当日。


茜と早めに待ち合わせ場所に到着する。


「スキーとか久しぶりなんだけど!」
「あたしなんか修学旅行以来だよー?」

スキーは久しぶりだが、あたしはスポーツの中では得意な方。


高校の時の修学旅行のスキー実習でも、初心者のくせに上級クラスに入れてもらったくらいだ。


少し遅れて里緒ちゃん、翔太くんも到着した。


瞬にいたってはサングラスで登場。



もう…目立ちすぎだよ。

でもそんな彼にすっかり見とれているあたし。あたしもあたしだ…。


里緒ちゃんを見ると、また何処か変わった気がする…。


「うーわ、あの子絶対、心菜のこと意識してる」茜が小声にどきっと驚く。

「そ、そーかな?」


何に驚いたかって言うと…あたしも同じこと考えてたから。

自意識過剰かって思ったから言わなかったけど。


メイクも髪型も髪色も服装も…全部似てる。


でも何で?わざわざ変えなくても、そのままで可愛いのに。


あたしには理解出来なかった。



里緒ちゃんの車に乗り、彼女の別荘に向かう。

いや、でも そもそも別荘っておかしいよね…お金持ちすぎ。





到着すると、そこに見えるのは真っ白な雪景色。


「凄い!」思わず声が漏れる。
瞬が隣でふはっと笑う。


「じゃあ一階にスキーグッズレンタル出来るので是非お使いくださーい♪」

里緒ちゃんがそう言ってくれたので別荘の中に入った。
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