最も危険な  ルームシェア
「あの家にいるのが嫌だからです。」

「悪い。聞かない方がよかった。」

「いえ、大丈夫です。私は滝野さんに言われたことを考えました。」

「うん。」

「シェア・パートナーとして全く面識のない人よりも私は失礼のないように心掛けることができると思いました。」

「うん。」

「滝野さんは私に何かご要望はありませんか?こうしてほしいという具体的なことはないですか?」

「常識的な最低限のルールだけだ。」

「そうですか。」

「それにシェアと言ってもいろいろある。女性同士なら大抵は共有するリビングでお喋りすることもあるだろ?」

「そうですね。」

「僕とはないと思ってほしい。」

「はい。」

「仕事は家に持ち込まない。」

「はい。」

「プライベートな時間はお互いに大切にすべきだと思っている。」

「はい。」

「夜一度帰ってから来るだろ?」

「はい。」

「決まったからには記事を書き換えないと。」

僕はスマホでアップした。

「パートナーが君なら僕にもメリットがある。決めてくれてありがとう。」

「こちらこそよろしくお願いします。」

< 12 / 94 >

この作品をシェア

pagetop