最も危険な  ルームシェア
「遅くなりまして申し訳ありません。」

彼女が一人で来たことに

俺が戸惑ったのは一瞬だけだ。

「今日はお一人で?」

「はい。」

「それは大変だ。」

彼女は俺の言葉に救われたような笑みを浮かべた。

「ご依頼はございますか?」

「今週の発注リストです。」

俺はリストを手渡す際に気づいた。

受け取る彼女の指先が震えていることに。

「ありがとうございます。」

ザッと目を通す彼女を静かに見つめた。

時間を押していること

見落としのできないこと

しかも先を急ぎたいこと

今の彼女はただならね状況だ。

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