最も危険な ルームシェア

「ただいま。」

私の声に二人が振り向いた。

「お兄ちゃん、この人は誰？」

私は滝野さんに視線を向けた。

次に滝野さんを兄と呼んだ女性に目を向けた。

「初めまして、仁科まゆです。」

滝野さんに妹がいたとは意外だった。

「あなた、誰？」

「私は滝野さんと同じ会社の者です。」

「お兄ちゃんには彼女がいるから狙っても無駄よ。」

「友里、余計なことは言わなくていい。」

滝野さんは静かに妹を制した。

「だって事実ですもん。悪いけどお兄ちゃんには律さんがいるから他を当たってね。」

彼女はブラコンだろうか。

私には関係ないが

滝野さんが気の毒に思えてならなかった。