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僕は仁科のことを考えた。

彼女は頑張り屋で気配りもできるが壊れやすい。

そして律は

何事も即決し即戦力を持って前進する。

さっき会った玲香は

全てを敵に回しても自愛で生きられる。

僕は年上の自立タイプの女に好かれる傾向にあった。

玲香との付き合いは短かったが

僕が本当に愛せるのは自分ではないと彼女が導いてくれた。

彼女は僕を理解してくれる唯一の大人の女だ。

律は真逆だ。

僕のことは一切理解してない。

どういう判断で僕をフィアンセに選んだのか

未だにわからなかった。

一方仁科はシングルを満喫しつつ

仕事にもかなり自信を持てるようになった様子だ。

僕は僕なりに彼女を見守っていたいという想いがあった。

束縛したいと思ったことはないと言ったら嘘になるが

律との無謀な前途を解消しなければ僕の人生は明るくならない。

玲香に言われたことは少なからず当たっていた。

僕の想いは律にはない。

仁科は将来誰を求めるだろうか?

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