最も危険な  ルームシェア
ところで新たなターゲットの女は今までになく素晴らしい血統の持ち主だ。

今回俺がプログラミングしたソフトは

その女の要望に100%

いや、120%満足できる仕上がりだ。

通常のコミッションに何を上乗せしてくるか

俺は楽しみでならなかった。

今夜はレセプション・パーティーが開かれる。

場所は沖縄の北だ。

手付かずのままの自然の宝庫に開発の矢が当たった。

通しか知らないダイビング・スポットが数多く点在していた。

そしてここが肝心なところだ。

俺はその女とは初対面だ。

「皆様、今夜はこの素晴らしく魅惑的なエグゼクティブ・リゾート・ディープ・バレーのレセプションへご出席いただきまして心より御礼申し上げます。今後とも私共のリゾート開発に皆様のお力添えを賜りますようどうぞ宜しくお願い申し上げます。」

乾杯となった。

広々としたホテルのロビーは高価な調度品で統一されていた。

だが決して派手ではなく

また南国を強調せず

極薄いベージュをベースに

ダーク・グリーンと暗めのゴールドを控えめに使い

オリエンタルな色調を上品にかもし出していた。

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