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「華。」

「はい。」

「私は妻を愛していた。死んでしまった今も愛している。彼女は私の心のどこかにずっとただずんでいると思う。」

旦那さまは静かに話し始めた。

「彼女は私のために必死で考えた。私はその想いを尊重したいし私も理解できた。だが君にとってはアカの他人の単なる願いでしかない。君の意思を無視したものだ。だから君はこのまま何も言わずここを立ち去っても構わないし、私がそれを恨むことでもない。」

私は自分の考えを言った。

「私は愛を理解したいと考えました。奥さまが私を選んで、旦那さまが私を望まれるのでしたらお受けいたします。」

「君は常識はずれだと思わないのか?」

「私にはそうではありません。」

「本当にそれでいいのか?」

「はい。」

私は旦那さまと代理母の契約を交わした。

契約は一般的な内容のものだったが

現実はまったく違うものになった。

なぜなら私が契約にない条件を要求したからだ。

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