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「おいおいこれじゃ、お律もイチコロだな。」

真司さんは面白がって言った。

「参ったな。彼なら敵なしだ。」

滝野さんは納得したように言った。

「すごいイケメン!こんな人が旦那さんだったら毎日気が気じゃないわね。まゆさん、どうして離婚されたの?」

友里さんは興味津々だ。

「女癖が悪くて。わかっていたんですけど。」

私は言い訳っぽくなる自分にだんだん腹が立ってきた。

元夫の悪口になってしまうことにも気が滅入った。

「仁科、悪いな。こんなことばかり聞いて。」

滝野さんは私を気遣ってくれた。

私はそんな彼と絶対結ばれたいと思った。

「それで他には?どんな男なんだ?」

真司さんも気にした。

私は優磨が以前婚約していたことや金に執着することや

付き合った女性をゴミのように捨てることを何とも思わない男だと話した。

「婚約?」

滝野さんが眉間にしわを寄せた。

「二度あって二度とも破談になったと言ってました。」

優磨は酔った時はいつも必ず得意そうに話していた。

婚約までこぎ着けたところで

女にルーズな面があると先方に知れると彼には何の損もないが

先方の家はそうもいかない。

大金を包んで婚約をなかったことにしてくる。

私は優磨が意図的にそう仕向けていたのではないかと

今更ながら恐ろしく思った。

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