最も危険な  ルームシェア
「まゆ?」

「お元気?」

「何で?」

「律さんと知り合いなの。」

「知り合い?」

彼の低音に凄みが増した。

ハンターの本性が丸出しだ。

「うん。彼女とはある男性を奪い合った仲だから。」

「へぇ。」

彼は相変わらず不敵な余裕の態度で

私には関心のない振りだ。

「優磨も律さんと知り合いのようね?」

私は白々しく聞いた。

この台詞が言えるように

私は滝野さんに特訓されたのを思い出した。

「お前に関係ないだろ?」

「あら、そお?」

この軽蔑を込めた一言が言えるまで

滝野さんに何回言い直されたかしれない。

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