最も危険な  ルームシェア
彼の熱く私を求めるようなキスのせいか

それともさっき飲んだシャンパンの酔いのせいか

私は緊張が解けて身体がふわふわした。

彼はしばらくキスし続けた。

そしてゆっくりと唇を離しながら

まだシャンパンの味が残る舌先で

私の下唇を舐めた。

「キスだけは最高にいいな。」

その声で私はふわふわ状態から目が覚めた。

「やめて。私だけを見てくれないから出て行ったの。もうほっといて。」

「わかった。お前にはもう手を出さない。やり直すなんて俺の中にはないからな。」

彼がはっきり言ったので私は驚いた。

「優磨。」

「彼氏が来てるぞ。」

私は左右に目を向けたが誰もいなかった。

「心配すんな。律とは距離をおくし彼女は俺のタイプじゃない。」

優磨はにやりと口を結んで会場へ戻った。

私は考えながら出口へ向かった。

エントランスに滝野さんがいた。

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