最も危険な  ルームシェア
「帰ろう。」

滝野さんは私を待っていてくれた。

駐車場へ降りた。

彼の車に乗り込み

私はシートベルトを締めた。

「仁科。」

「はい。」

「君はキスされやすい。」

「見てたの?」

「たまたま目に入った。」

私は気まずかったので話題を変えた。

「お母様は?」

「母はタクシーで帰ったよ。」

「そう。」

薄暗い駐車場は静かだった。

「仁科。」

「はい。」

滝野さんがいきなりキスした。

私が欲しかったものだ。

もっと彼の近くに身体を寄せたかったが

シートベルトが邪魔で動けなかった。

彼が唇を離した。

「もっとお願い。」

私は思わず口走ってしまった。

彼は額と額をくっつけた。

「息が苦しくなるまでお願い。」

「欲張りだな。」

私は頭がクラクラした。

彼のキスで。

私はこんな風に彼のキスで熱くなりたかった。

ずっとそう思っていた。



  ~ 完 ~


< 94 / 94 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:7

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

僕は余りにも  君を愛しすぎた

総文字数/15,222

恋愛(純愛)38ページ

表紙を見る
俺の魂を狂わす女

総文字数/16,992

恋愛(オフィスラブ)43ページ

表紙を見る
恋の扉を開けて

総文字数/35,720

恋愛(その他)105ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop