even if
夏の日々は、私の体力と気力をどんどん奪っていった。
食欲がなかったので、ほとんど食べず、そのかわり、夜にビールを一人で飲みまくった。
もはや、私の体内にはビールが流れていると言ってもいいくらいに。
渋谷くんの勉強ははかどってるかな。
元気かな。
日に焼けたかな。
ふとした時に思い浮かべる。
お盆休みは久しぶりに実家に帰って、地元の友だちと飲み歩いた。
彼女たちに会うと、私は一瞬で18歳の私に戻ってしまう。
振り返ると、高校時代はなんて短かったのだろう。
色んなことを考え、色んなことを経験し、将来に悩み、恋をして、私たちは大人になった。
実家に帰ると、チョビが嬉しそうに駆け寄ってきて、私の顔をベロベロとなめ回した。
『わかったから、わかったから、落ちついて』
そう言いながら、背中を撫でた。
渋谷くんの髪の毛とやっぱり、同じ色だな、なんて思いながら。