even if
保健室に入ると、デスクにどさりと座り込んだ。


不純な関係。
教頭はそう言った。
なんて馬鹿げた言葉なんだろう。

確かに、二人でいるには、いつも理由が必要だった。
熱があって心配だとか、偶然に会ったからだとか。

私と渋谷くんは、いつも隠れてキスをした。
この白い部屋の中とか、屋上のシーツの間とか、誰もいない海岸とか。

それでも、私を見つめる優しい瞳や、照れ臭そうな笑顔や、赤く染まった耳や、好きだよ、と言う小さい声。

それを、不純だというのなら。
一体、何を純愛とよぶのだろう。





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