even if


本当はどうすればいいかなんて、分かっていた。


渋谷くんと会わなければいい。
そうすれば、噂になることもないし、渋谷くんはこのまま何も変わらない生活を送れる。

何も変わらず、そのまま真っ直ぐな道を進んでいけるだろう。

そう答えははっきりと出ているのに、渋谷くんと会わない、という決断は私を怯えさせる。

渋谷くんの匂いや、渋谷くんの笑った顔や、私を好きだという時の優しい声や、目を細めて私を見る渋谷くんを思い出してしまう。

渋谷くんと離れるなんて無理だよ。

だって…
ずっと一緒にいよう、って約束したんだもん。


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