even if
大丈夫。
私は大丈夫。


自分に言い聞かせる。


大丈夫、
私は大丈夫。


ちゃんと聞けてえらなかったね。
泣かなかったね、えらなかったね。

『ふぅ…』

大丈夫、
ほらね。
私は大丈夫。


カーテンがふわり、と揺れて、いつも渋谷くんがお昼寝をしていたベッドが目に入った。


あぁ、もうこんな時に、なんでわざわざ風吹くかなぁ。
せっかく頑張って涙をこらえてたのに。

『…っく…ふぇ…』


本当、あのベッド、撤去してほしい。
でも、それじゃ、保健室の意味ないか…。

渋谷くんは、いつまで私をこんな気持ちにさせるつもりだろう。
どれほど、私を傷付けたら、気がすむのだろう。



しばらく泣いて、立ち上がった。
鼻をかんで、鏡で確認して、笑ってみる。

ほらね。
私は大丈夫。


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