even if
結局、お昼休みになってもまだ資料を作っていた。
家から持ってきたロールパンとサラダを食べながら、ドアをチラチラとみている自分に腹が立つ。
渋谷くんの思う壺だ。
そう思うと、食欲もなくなって、ロールパンをひとつ残すと、私は立ち上がった。
奇襲攻撃だ。
そっちが来ないなら、こっちが行ってやる!
ズンズンとドアに向かって歩いていると、ノックの音がした。
『やっと来た!』
そう言いながら、ドアを開けたら、驚いた顔でそこに立っていたのは、三年生の女子だった。
スラリとした背の高い美人。
名前は確か…
『松原さん』
松原愛はにっこりと笑って、
『誰か待ってたの?』
と聞いてきた。
渋谷くんはノックなんかしないのに…。
しまった、と思いつつ、私は笑顔を作る。
『違うの。あー、出前、出前を待ってたの』
『…出前?』
松原さんが目を丸くして聞き返す。
『あー、いいの、いいの。それより松原さん、どうしたの?』
松原さんを招き入れながら尋ねると、
『あっ、碧(あおい)、来てない?』
松原さんは保健室の中をキョロキョロと見渡した。
『碧?』
『渋谷くん。渋谷碧』
『えっ?あっ?渋谷くん?うん?来てないよ?』
タイムリーすぎる。
『そっか。あいつ、どこ行ったんだろ。絶対、ここだと思ったのに』
松原さんはうーむ、と眉にしわをよせて、腕組みをしている。
美人はしわをよせてもやっぱり美人。
背も確実に私より高いし、ストレートロングの黒髪も大人っぽい。
家から持ってきたロールパンとサラダを食べながら、ドアをチラチラとみている自分に腹が立つ。
渋谷くんの思う壺だ。
そう思うと、食欲もなくなって、ロールパンをひとつ残すと、私は立ち上がった。
奇襲攻撃だ。
そっちが来ないなら、こっちが行ってやる!
ズンズンとドアに向かって歩いていると、ノックの音がした。
『やっと来た!』
そう言いながら、ドアを開けたら、驚いた顔でそこに立っていたのは、三年生の女子だった。
スラリとした背の高い美人。
名前は確か…
『松原さん』
松原愛はにっこりと笑って、
『誰か待ってたの?』
と聞いてきた。
渋谷くんはノックなんかしないのに…。
しまった、と思いつつ、私は笑顔を作る。
『違うの。あー、出前、出前を待ってたの』
『…出前?』
松原さんが目を丸くして聞き返す。
『あー、いいの、いいの。それより松原さん、どうしたの?』
松原さんを招き入れながら尋ねると、
『あっ、碧(あおい)、来てない?』
松原さんは保健室の中をキョロキョロと見渡した。
『碧?』
『渋谷くん。渋谷碧』
『えっ?あっ?渋谷くん?うん?来てないよ?』
タイムリーすぎる。
『そっか。あいつ、どこ行ったんだろ。絶対、ここだと思ったのに』
松原さんはうーむ、と眉にしわをよせて、腕組みをしている。
美人はしわをよせてもやっぱり美人。
背も確実に私より高いし、ストレートロングの黒髪も大人っぽい。