even if
そんな…
それってどういうこと…?
頭が混乱する。
ぐらんぐらんする…。


『それまでいくら好きだって言ってもダメだった碧が、あっさり分かった、じゃあ付き合おう、とか言うんだもん。今までの苦労はなんだったの、って感じ。すぐ教頭には「勘違いでした」って電話したよ』


『ま、待って…ちょっと…混乱してるの…』

『そう…だろうね』

じゃあ、渋谷くんが、私を遊びだと言ったのは…

嘘、だったの…?



私を黙って見ていた松原さんが、またゆっくり話し始める。

『そんなわけだから、付き合っても碧は私のこと好きじゃなかった。たぶん…好きになろうと努力はしてくれたとは思う。優しい人だから…。碧だって、健全な男子なんだし、一度でもエッチしちゃえば、私のこと好きになるかなぁ、なんて思ったりもした。だけど、あいつ手も握ってこない、キスだって、もちろんその先だって…してくれなかった…』



据え膳食わねば武士の恥。松原さんは少し笑って呟いた。



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