even if

truth

静かになった保健室で、私はデスクに座ってぼんやりとマーライオンのボールペンを眺めた。


部屋の中は午後の光を浴びて、小さな虹の赤ちゃんが乱舞している。


まだ頭が混乱している。


始業式の翌日、渋谷くんはここで私に言った。


『分かってると思うけど、好きだとか言ったの、あれ全部嘘だから』


あの言葉が嘘だった、ということなのだろうか。


『ななちゃん、好きだよ』

そう言って目を細めたのが、本当の気持ちだったというのだろうか…。



わからない…。
頭がぐらんぐらんする…。

どっちが嘘でどっちが本当の渋谷くんなのか…。

わからない…。


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