even if
下着だけかき集めて、身につけると、ベッドの中でぴったりとくっついて話をした。


頭の下には碧くんの腕。
腰のあたりにもうひとつの腕。
からませた足と足。

『こうしてると暖かいね』

『…碧くん、なんでアレ持ってたの?』


私は勇気を出して、疑問に思っていたことを、聞いてみる。

『あれって?…ああ、あれね…。あー…ななちゃん、話聞いてもひかないでね?』

『なにが?』

『いや、あのさ。俺の誕生日に階段のとこでキスしただろ。あんときも俺限界で…もう襲っちゃいそうで…。ななちゃんと、もしこういうことをする、ってなったらいるよなぁ、と思って、クラスのやつにもらったんだよ』

『碧くんの誕生日に?もうもらってたの?』

『だから、ひかないで、って言ったのに』

『…ひいてないよ。嬉しいの』

『…ななちゃん、本当かわいいな』

碧くんが髪にキスをする。
おでこにも。

『一個でいいって言ったのに、二個いるだろ、って。なんでだろ。予備かな?』

『…なんでかな?』

私たちは首をかしげる。


『…眠くなってきちゃった』

『いいよ…寝て?』


頭を撫でられて、髪にキスをされる。
こうしてると暖かいね。
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