even if
ふわ、と私をベッドに寝かせると、碧くんはそっとバスタオルを外した。


電気を消した薄暗い部屋の中で、碧くんの猫みたいな瞳がきらり、と光る。
ぞくぞくする。


碧くんは、さっきよりも丁寧に私の体に唇を這わせていく。

頭の先から爪の先まで。
そうして、私の反応をいちいち確かめているようだった。

その優しい口づけに、何度も体が震えた。

そのたびに、碧くんは私をいとおしそうに抱き締める。



『…あ。ななちゃん、ここにほくろがあるよ』


碧くんは、私の左のわき腹あたりを指で押さえる。


『…ほんと?自分ではよく見えないから。知らなかった』

私がそう言うと、碧くんはうれしそうに笑って、

『じゃあ、このほくろは今日から俺のものにする』

『…ん?意味がわからないよ?』

『このほくろは俺のものだから、これから絶対に他のやつに見せないで』

『はい、はい。わかりました』



碧くんはそのほくろにもキスをする。

『絶対だからね。約束』


『…約束ね』



私の体にある、碧くんのほくろ。
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