even if
指をからませて。
荒い呼吸の合間に名前を呼んで。
唇で唇をふさいで。

私たちはもう一度、ひとつになった。


私と碧くんはぴったり重なりあう。

なにもかもがぴったり合う。

『…ななちゃん…愛してる…』



私はからませた指をほどいて、碧くんの首に腕を回すと、ギュッと抱きついた。

そのやわやかな髪をつかむ。


『…碧くん…愛してる…』


私の意識が遠ざかる。
堕ちていく…。






『やっぱり、クラスの友だちが言った通り、ふたつ必要だったね。碧くん』


『…なんか、予測されてたみたいで、めちゃくちゃ恥ずかしい、俺…』


『…あー…本当だね』


碧くんが甘えるように、私の胸に顔を寄せる。


『ななちゃん、いっつもいい匂いがする…俺、ななちゃんの匂いだいすき』

『私も…碧くんの匂いだいすき』




< 191 / 200 >

この作品をシェア

pagetop