even if
碧くんは、私が部屋に入るまで、階段の下で見守ってくれた。


『ちゃんと戸締まりして』


心配そうな顔をして、おかあさんみたいなことを言った。



振り返った私は、碧くんを見て少し笑う。
やきもちやきで、心配性な碧くん。



心配しないで。
私は大丈夫。




『じゃあ、またね』


私たちはそう言って別れた。




まるで、またすぐ会えるみたいにわざと明るく。




最後に私は碧くんに向かって、思いっきり、にっこり笑った。
碧くんが私を思い出す時、その顔がいつでも笑顔でありますように。



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