even if
渋谷くんは、きっとものすごくモテるんだろう。
女の子をドキドキさせるのが、あんなに得意なんだし。
6つも年上で、しかも先生である私ですら、びっくりするようなことを、サラッと出来てしまうのだから。
『ななちゃん』
ぼーっとしていたら、ドアが開いて、渋谷くんが顔を出していた。
慌てて、立ち上がると、ドアに向かう。
小声で
『今はだめ。寝てる子がいるから』
と言うと、渋谷くんはニヤリと笑って入ってきた。
『今はだめなんだ?』
『寝るだけならいいけど、静かにしてね』
私が小声で言うと、黙って頷き、
『髪、かわいい』
耳元で囁いてきた。
『ひゃ…』
小さな悲鳴がもれて、慌てて口を押さえる。
『ななちゃん、静かにね』
また囁やかれた。
口を押さえたまま、渋谷くんを軽く睨む。
ジェスチャーでベッドに行って!と言うと、
『一緒に寝よ?ななちゃん』
などと囁く。
そのエロティックな言い方に、耳がかぁ、と熱くなる。
渋谷くんを今度は思いきり睨むと、渋谷くんは、ん?というように首をかしげた。
その余裕綽々の様子に、なんだかこんなにいっぱいいっぱいになっている自分が悔しくなってきた。
まだ新任だし、仕事は全然出来ないけど、これでも私は先生なのに。
情けなくて悔しい…。
思わず俯くと、渋谷くんが不思議そうに、顔をのぞきこんできた。
目があった。
渋谷くんは、はっとした顔になって、しばらく私の顔をじっと見ていた。
それから、
『ごめん。調子のりすぎた』
小さな声で言って、私の頬に指の先でそっと触れた。
おずおずと、まるでものすごく柔らかいものに触れるようにそっと。
仕方ないな。
許してやるか。
にっこり笑うと、ベッドを指差した。
渋谷くんは今度は大人しくカーテンの中に入っていった。
そして、今日は、一限で帰らず、午後はずっとそこにいた。
女の子をドキドキさせるのが、あんなに得意なんだし。
6つも年上で、しかも先生である私ですら、びっくりするようなことを、サラッと出来てしまうのだから。
『ななちゃん』
ぼーっとしていたら、ドアが開いて、渋谷くんが顔を出していた。
慌てて、立ち上がると、ドアに向かう。
小声で
『今はだめ。寝てる子がいるから』
と言うと、渋谷くんはニヤリと笑って入ってきた。
『今はだめなんだ?』
『寝るだけならいいけど、静かにしてね』
私が小声で言うと、黙って頷き、
『髪、かわいい』
耳元で囁いてきた。
『ひゃ…』
小さな悲鳴がもれて、慌てて口を押さえる。
『ななちゃん、静かにね』
また囁やかれた。
口を押さえたまま、渋谷くんを軽く睨む。
ジェスチャーでベッドに行って!と言うと、
『一緒に寝よ?ななちゃん』
などと囁く。
そのエロティックな言い方に、耳がかぁ、と熱くなる。
渋谷くんを今度は思いきり睨むと、渋谷くんは、ん?というように首をかしげた。
その余裕綽々の様子に、なんだかこんなにいっぱいいっぱいになっている自分が悔しくなってきた。
まだ新任だし、仕事は全然出来ないけど、これでも私は先生なのに。
情けなくて悔しい…。
思わず俯くと、渋谷くんが不思議そうに、顔をのぞきこんできた。
目があった。
渋谷くんは、はっとした顔になって、しばらく私の顔をじっと見ていた。
それから、
『ごめん。調子のりすぎた』
小さな声で言って、私の頬に指の先でそっと触れた。
おずおずと、まるでものすごく柔らかいものに触れるようにそっと。
仕方ないな。
許してやるか。
にっこり笑うと、ベッドを指差した。
渋谷くんは今度は大人しくカーテンの中に入っていった。
そして、今日は、一限で帰らず、午後はずっとそこにいた。