even if
渋谷くんの心臓の音が聞こえる。
熱のせいか、かなり早い。
渋谷くんのワイシャツのパリッとした手触り。
シャツからも、布団からも渋谷くんの匂いがする。
クラクラする。
一ミリも動けない。
しばらく、二人ともじっとしていた。
寝たのかな…。
顔を見ようと思って少し動いたら、またギュッと抱き締められた。
『逃がさない…』
渋谷くんが言った。
逃げようなんて思ってないのに…。
…逃げようなんて思ってない?
どうしてなんだろう?
あんまり動かない頭で、グルグルと理由を探した。
養護教諭が、生徒に抱き締められて、逃げようとしない理由を。
渋谷くんが、そっと私の髪を撫でた。
撫でながら、私の髪に唇をつけた。
一回
二回
その柔らかなキスで、私は意識を手放した。
考えることを放棄して、ただ渋谷くんを感じていた。
理由は明日考えよう。
今は、渋谷くんをただ感じていよう。
私の全部で。
熱のせいか、かなり早い。
渋谷くんのワイシャツのパリッとした手触り。
シャツからも、布団からも渋谷くんの匂いがする。
クラクラする。
一ミリも動けない。
しばらく、二人ともじっとしていた。
寝たのかな…。
顔を見ようと思って少し動いたら、またギュッと抱き締められた。
『逃がさない…』
渋谷くんが言った。
逃げようなんて思ってないのに…。
…逃げようなんて思ってない?
どうしてなんだろう?
あんまり動かない頭で、グルグルと理由を探した。
養護教諭が、生徒に抱き締められて、逃げようとしない理由を。
渋谷くんが、そっと私の髪を撫でた。
撫でながら、私の髪に唇をつけた。
一回
二回
その柔らかなキスで、私は意識を手放した。
考えることを放棄して、ただ渋谷くんを感じていた。
理由は明日考えよう。
今は、渋谷くんをただ感じていよう。
私の全部で。