even if

false promise

六月も終わりに近づき、最近は蒸し暑い日が続いていた。

二年生は、修学旅行に行っている。

修学旅行に、養護教諭が引率で着いていくことがある。
私も密かに期待していたのだけど、教頭にあっさりと留守番を言い渡された。

まぁ、いいか。
四日間も、保健室を留守にするのは不安だし。

二年生がいないせいか、校内が少し寂しい気がする。

渋谷くんは、相変わらず授業を抜け出しては、保健室で寝に来る。

あの日の告白について、私も渋谷くんも触れようとはしなかった。
なかったことにはしてないけど、答えは聞いてない、と言われたから、それに甘えていた。
答えなんて出せるはずがなかった。
何故ならば、私が先生で、渋谷くんが生徒だから。
それがなかったら、あるいは答えを出せたかもしれない。





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