恋は盲目 Ⅱ 〜心を見せて〜
あなたと私はキューピット⁇

今日は、棚卸の日


閉店までに店頭にある百種類以上の品の

在庫チェックしないといけないのに突然

声をかけてきて男。


「ちょっと聞きたいんだけどいいかな⁈


この忙しい時に話かけてくるなんて誰よ

…お客じゃないなら怒るわよ。


数えるのを止め頭を上げるとそこに笑み

を浮かべ立っているスーツ姿の男。


背が高く細身のスーツを颯爽と着こなす

極上のいい男だった。


「…………ミス七夕って子探してるんだ

けど、君⁈」


思わず見惚れていた私。


「あっ、はい。私じゃないです。隣りの

紳士服店にいる茶色の髪のセミロングの

子です。」


「ふ〜ん。あの子か‼︎」


隣りの店舗で接客中のミス七夕(奈々)を

見て顎に指を添え考えている男。


ついこの間もスーツ姿のいい男が奈々に

ちょっかいを出していた。


また、奈々狙いの男が現れたかと苦笑し

てしまう。


「あの子に何かご用ですか?」


笑みを浮かべる男。


「君、彼女と仲良いの⁇」


「友達ですけど……」


怪しむ早希は一歩後退り警戒した。


「やだなぁ、警戒しないでほしいな。俺

、怪しくないから」


そう言う奴が怪しいって知ってます⁈


その胡散臭笑顔も怪しいですけど……


スーツの内ポケットから名刺を取り出し

た。

「永住社⁈」


マジですか‼︎


「これで、怪しくないってわかってくれ

た⁇」


どうなんだろう⁇


大手の企業だからってこの人が怪しくな

いとは限らない。


「さぁ、どうですかね⁈それで、あの子

との仲を取り持ってほしいんですか⁇」

嫌みを込めて言う。


「そうなんだ。そこで何人かで合コンし

ない?」


はぁ〜、新手のナンパですか?


「あなたが直接、声をかければどうです

か?」


面倒な事はしたくないんだけど、合コン

なんて疲れるだけじゃん。


素を出せずに猫被りしてお酒を飲むだけ

でしょう。


無理して疲れるぐらいなら仲の良い友達

と楽しく飲んでる方が絶対いい。


「それじゃあダメなんだよね。俺、1人

じゃ纏まるものも纏まらないと思うから

君にも協力してほしい」


はい⁇

よくわからないんですけど……
< 1 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop