恋は盲目 Ⅱ 〜心を見せて〜

雅樹side


拓海から突然、『合コンがしたい』と言

われた時、(あの拓海が)と耳を疑った。


耳まで赤くして101ビルのミス七夕と合

コンがしたいからセッティングしてくれ

と頼んでくるからだ。


それも、指名で‼︎


これは、もう疑う余地がない。


拓海は、その女を好きになったのだ。


黙っていても女から寄ってくるあいつが

女に困る訳がない。


だから、いつも女とはその場限りの関係

しかしてこなかった。


そんな奴が、1人の女に興味を持ち俺に

頼んでくるなんてどんな女なんだろう。


興味が湧いた俺は一つ返事で、早速101

ビルに来ている。


拓海からの情報はミス七夕だという事‼︎


それ以外聞いてこなかったがなんとかな

るだろうとビルの中へ。


さて、どの女だろうと見渡す。


だか、拓海のタイプってどんなだ⁈


いつも、派手な化粧した軽そうな女しか

まわりにはいなかった。


今までとは違うタイプの女か⁈


フロアにいる女達の中からふと、目に留

まった女。


色白で、目が大きく、ちょっとキツメの

顔でエプロン姿のすらっとした美人。


この子か⁈


「ちょっと聞きたいんだけど、いいかな⁈」

在庫数を数えていたのだろう。


接客用の笑顔を向ける彼女だが、苛立ち

が手に取るようにわかった。


おもしれー女。


自然と笑みがこぼれる。


「…………ミス七夕って子探してるんだ

けど、君⁈」


「あっ、いいえ。私じゃないです。隣り

の紳士服店にいる茶色の髪のセミロング

の子です」


隣りの店舗の茶色の髪のセミロングの女

を見つける。


「ふ〜ん。あの子か‼︎」


やはり、今までの拓海のまわりにいない

タイプの女だった。


ふわっとしたかわいい感じの守ってあげ

たくなるような女。


美人だと思うが俺のタイプじゃないな‼︎


俺は今、目の前にいるこの女がいい。


「君、彼女と仲良いの⁇」


「友達ですけど……」


怪しむ彼女は一歩下がる。


「やだなぁ、警戒しないでほしいな。俺

、怪しくないから」


マジかよ。


俺が笑顔振りまいてるのに警戒する女が

いるなんて初めてだ。


スーツの内ポケットから名刺を取り出し

彼女に渡す。


「永住社⁈」


大抵の女は、この顔と会社名でイチコロ

だ。


「これで、怪しくないってわかってくれ

た⁇」
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