恋は盲目 Ⅱ 〜心を見せて〜
「帰って行くお前を見てこのまま、合わ
ない方がいいとその時思った。でも、寝
てもお前が好きだと言ってくれた顔が忘
れなれなかった。会いたくて、どうやっ
たら自然に会うことができるか悩んでた
。朝、拓海から奈々ちゃんとお前と3人
で会うと聞いてチャンスだと思って一緒
について来た」
雅樹の胸に顔を埋める早希をそっと抱き
しめる。
「私、雅樹と友達にもなれないなら好き
って言わなければよかったって後悔した
。飲んで雅樹を忘れようとしたの。でも
、その為には奈々の不安を解消してあげ
ないと終わらない気がして藤原さんを呼
び出したんだけど、雅樹がついて来るな
んて考えなかった」
頭を優しく撫で黙ったまま聞く雅樹。
「私……雅樹を好きでいてもいい⁈」
「……俺、好きだとか言う感情がわから
ない。でも、早希を大事に思うのは本当
なんだ。それでもいいのか?」
「うん。雅樹がいい…」
今は、それだけで嬉しい。
見つめ合う2人は、どちらともなく唇を
重ね、昨日の熱を呼び戻すように荒々し
くキスを重ねていく。
「早希……」
雅樹が、キスをとめる。
「〜っん」
キスをせがむ早希。
「本当にいいのか⁈やめるなら今だ」
「なんで聞くの‼︎……抱いてよ」
拗ねたように言う早希。
「後で、やめては無しな…俺、お前のせ
いで他の女抱けなくなってたから責任と
って朝まで付き合えよ」
目を見開き、驚愕する早希に口角を上げ
いじわるく笑う雅樹。
その笑顔反則。
なにも言えないじゃないの‼︎
何度も、雅樹に身体を自由にされ快楽の
淵に落とされ、もう無理と涙を浮かべ
懇願する早希を宣言通り外が薄っすらと
明るくなる朝まで雅樹は離そうとしなか
った。
ほんの数時間だけ気を失っていたらしく
日が昇る頃、軋む体を起こす早希は隣で
寝息を立て熟睡中の雅樹を見つめる。
本当にありえない。
今日仕事なのに、身体中痛いなんてどう
するのよ。
(はぁ〜)
あんなに激しく求められ、うれしい反面
あの時、雅樹の忠告を素直に聞いておけ
ばよかったと後悔した。
シャワーを浴びてスッキリしようとお風
呂場へ行くと脱衣所の鏡に映る自分の肌
に無数の赤い跡。
胸に残る赤い跡を指でなぞり、ここで雅
樹に服を脱がされ鏡の前で抱かれた記憶
が蘇る。
(チュッ)
記憶を辿っていた私の背後から音をたて
肩にキスをする雅樹がいた。
「この痕に指を這わせてなにを思い出し
てたの⁈」
うそ⁈
いつから見てたの?
そのまま肩から首筋に唇を這わせていく
雅樹。
「…やっ……私……今から仕事…シャワ
ー浴びたい」
「じぁあ、一緒に浴びてこよう」
「いやよ。シャワー浴びるだけで終わら
ないじゃない」
「いやならシャワー浴びる前にまた、こ
こでする⁈どっちでもいいけど‼︎」
拒否権ないの⁈
強引な男に翻弄されていく。