恋は盲目 Ⅱ 〜心を見せて〜
雅樹side
木曜日
早希と毎週木曜に会う約束をした初めて
の日。
どうして、こんな約束を自分から言い出
したのか自問自答していた。
拓海と奈々ちゃんがどうなろうと正直ど
うでもいい…。
それなのに、2人の為にと言う理由をつ
け、こうして早希と会っている。
初めて会った時、興味が湧いただけの女
だったが、友達の為に一生懸命になれる
早希が今はかわいいと思う。
嫌われ距離をおこうと思っていたのに彼
女の為に力になりたいと思うようになっ
ていた。
この気持ちがなんなのかはわからない。
ただ、早希が喜ぶなら2人の為に手を貸
そうと決めた。
俺が1人の女の為に一生懸命になるなん
て、…拓海のことを笑えない。
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花火大会当日俺たちと合流する早希。
前に会った時のように浴衣姿じゃないの
にガッカリした。
だが、シースルーのブラウスが清楚で涼
しそうに見えるのに透けて見える体のラ
インに目のやり場に困る。
女の肌が透けて見えるぐらいで、俺は何
を焦っているんだ。
1人になりたくて、拓海達を捜しに出か
けた。
向こうから歩いてくる拓海達を見つける。
「おーい、拓海、奈々ちゃん…こっち、
こっち」
拓海の顔色が変わる…おもしろい…
「奈々ちゃん、今日もかわいいね。やっ
ぱり、花火大会と言ったら浴衣だよね」
「お前、どうしているんだ…」
おい、目が怖いぞ拓海。
「奈々ちゃんに会えてうれしいよ。つい
でに拓海の顔も見れたしね〜」
さらに、不機嫌になる拓海。
どれだけ2人きりになりたいんだよ。
「さぁー、そろそろ始まるよ。あっちで
一緒に見ようね。奈々ちゃん」
奈々ちゃんの肩を押し、早希の待つ場所
へ向かう。
既に早希達は酒盛りを始めていた。
拓海を呼び出す同僚。
奈々ちゃんの横に座り早希を見るとずっ
と奈々ちゃんを見ている。
奈々ちゃんを心配しているのだろう⁈
面倒だが、2人の為に頑張ってみるか‼︎
長々と説明じみたが伝わっただろうか?
「…冷…」
「奈々、ごめんね。びっくりした⁈」
ビールを差し出す早希の目はトロンとし
ていた。
お前、もう酔ってるだろう⁈
ほんのり赤い顔して、そんな艶っぽい表
情するなよ。