恋は盲目 Ⅱ 〜心を見せて〜
考えるのは、嫌なことばかり。
私は、もういらないのかもしれない。
今日、私より彼女を選んだのだから…
別れを言われる前に、私から終わりにす
る⁈
それとも、気づかないふりして別れを切
り出されるまで雅樹の側にいる⁈
私の頭の中は、どう終わりを迎えるかば
かり考えていた。
雅樹が、苦しでいることにも気づいてあ
げれずに欲深くなっていたのかもしれな
い。
傷が深くなる前に別かれを選んだ。
今ならまだ、立ち直れる。
雅樹が側から離れてもきっと時間が解決
してくれる。
涙でぐしょぐしょに濡れた顔を手で覆い
声を殺して泣き明かした。
一睡もできず、ベッドから抜け出し洗面
所の鏡を見る。
(ひどい顔)
化粧も落とさず泣いていたから、まぶた
は腫れ涙の跡がみっともない。
シャワーを浴び腫れたまぶたを冷やして
ため息がでた。
(はぁ〜)
仕事なのにいい歳した女が泣きましたみ
たいな顔で仕事行けないわ。
カバンからスマホを取り出すと何度も点
滅してるライト。
画面には、雅樹からの着信とメールがび
っしりと入っていた。
最初のメール。
(どこにいる⁈)
(約束忘れたのか?)
(連絡待ってる。)
延々と一言、二言のメッセージが続く。
最後のメール。
(早希、なにかあったのか⁈会いたい…心
配だから、何時でもいい連絡してくれ。)
頬を伝う涙。
やだよ。
優しくしないで…決心が揺らぐ。
涙を拭き、同僚に電話する。
「私、体調悪くて今日代わりお願いした
いの」
電話の向こうの同僚はお大事にと心配し
てくれた。
うそついてごめんね。
今は、この顔を誰にも見せれない。
奈々にも……
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雅樹に別れを告げどれだけの日を過ごし
たのだろう。