恋は盲目 Ⅱ 〜心を見せて〜

『おのろけごちそうさま。そろそろ行か

ないといけないから今度ちゃんと紹介し

てよね…お母さんにも紹介できるといい

わね』


真愛実は、母の病院へと向かった。


俺は、聞こえてくる2人の会話に耳をた

てていた。


ときおり、大輔さんが俺を見て笑ってい

た気がする。


なんか嫌な感じだ。


「プッ…」

吹き出す大輔さん。


俺が後ろで聞いてるからか、面白がって

いる。


一瞬、俺を見る大輔さん。


早希に何を言わせたいんだ。


「はい…好きです。欲張っていいんです

か?」

口を手の甲で押さ、目に涙を浮かべて笑

いを堪える大輔さん。


(くっ、あははは〜)


限界だったのか、最終的に俺に話をふっ

てきた。


「どうする⁈雅樹」


まったく、この人は意地が悪い。


「不安にさせないんで…余計なお世話で

す」


「私が店に来た時にはいたの⁈」


「早希が来る前からいたけど…」


「もう、なんで声かけてくれないの」


それは、おもしろそうだったから…


「気づかない早希が悪い。…おかけでい

いこと聞けたし大輔さんには感謝だな」


頬を膨らませ拗ねる早希。


その顔が見たかったからかな⁈


「早希は、欲張りになるぐらい俺のこと

好きなの⁈」


「………」


黙りを通す早希。

早希との言葉遊びは楽しくて仕方ない。


「言わないとここでキスするけど…」


好きって言った瞬間、キスするけどね。

「‥す…き」

その顔、やばいって…


瞳を潤ませ頬を染める早希。

こっちまで照れる。


恥ずかしさをごまかすように早希は半分

になっていたカクテルを飲み込んだ。


一瞬の隙を突いて、早希の唇にキスをす

る。


驚き、固まる早希。


早希に触れた瞬間、ここがどこかも忘れ

雅樹は早希とのキスに夢中になっていた。


冷静さを取り戻した早希が拒もうと口を

閉じるが上唇と下唇を交互に唇で甘噛み

し、やめてほしいと雅樹の腕ににすがり

つく早希を無視して、リップ音をわざと

立て恥ずかしがる早希を堪能する。


可愛すぎて、止めれないいな。


まわりの静寂さを気にも留めずどんどん

激しいキスを求め、早希の唇を貪る。


聞こえるBGMとマスターの笑い声。


「はい、そこまでにして続きは帰ってか

らしてくれるかな⁈」


「チッ…キスぐらいいいでしょう」


いいところだったのに…
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