恋は盲目 Ⅱ 〜心を見せて〜

花村女史、ナイスアシスト‼︎


彼女も乗り気だ。


「そうだな…奈々ちゃん。違う⁈」


飯島さんが当てる…実はこれは、藤原さ

んを煽るための作戦1


「へぇ〜、奈々ちゃんね…」


意地悪く笑う藤原さん。


目が怒ってますけど…

冷たい空気を花村女史が斬る。


「さぁ、飯島さん。松井さんの横の席

に座って下さい」



花村女史が飯島さんに席を入れ替わるよ

うに指図すると彼女は拓海さんの横を陣

取る。


これも花村女史と打ち合わせ済み。


そこへ飲み物を持ったマスターが立って

いた。


私は、マスターから順番に飲み物を受け

取りみんなに回していくと突然、甘った

るい声で、わざとらしく藤原さんにスキ

ンシップする花村女史。


花村さん、それって演技ですか⁈


彼女の視線の先は、マスター⁇


なるほどねぇ…

さっきもマスターを見てましたよね。動

揺してた理由(マスター)ですか‼︎


でも今は、花村女史より奈々が優先。


飯島さんに指先で合図され彼の横に座り

会話にまざる。


目の前で、花村さんが奈々をちらっと見

て刺激する。


奈々が会話にまざらず、上の空なのがわ

かる。


藤原さんはちらっと奈々を見たが、直ぐ

に視線を外す。


「そうなんですか」


奈々は、上の空で答えてる。


「やっぱり、奈々ちゃんも拓海狙い⁈」


図星を指され動揺する奈々。


「えっ、皆、素敵な人たちばかりで、私

がここにいるの申し訳ないです」


「奈々ちゃん。かわいいし、ミスに選ば

れるの納得なんだけど」


藤原さんが見ていた。


「俺、奈々ちゃんタイプなんだよね。俺

なんてどう⁈」


ピクッと目尻が上がる藤原さん。


そのセリフ予定にありましたか⁈


一瞬、心に走る痛み。


なんだろう⁇

「………」


藤原さんの反応が面白いらしく飯島さん

はクスクスと笑ってる。


「奈々、動揺し過ぎ」


奈々をからかい、心に痛みが走った事を

忘れる。


飯島さんは、奈々に小声で(相談に乗るよ

)と藤原さんを指差し優しく微笑む。


私も知らない微笑みを奈々向ける飯島さ

んになぜか苛立ってしまう。


この苛立ちは、なんだろう⁇

誰にでも向ける微笑み⁈

私が見たことない笑みを奈々に向けるか

ら⁈


いや、そんなことはない。


予定外の行動をする飯島さんに苛立った

っただけ……
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