love letter~由香~
翠川くんの渇いた笑い声で、さっきまでの緊張感が一気に吹き飛んでいく。
笠原くんともこんな感じで話したいなぁ。
……あのラブレターを出していなかったら、笠原くんのあたしに対する態度はどうだったんだろう?
普通に話してくれたのかな。
でも、やってしまったものは仕方ない。
どうあがいても、過去は変えられないのだから。
これからはあたしの努力次第だ。
「あ、そうだ」
愛美のところに戻ろうとしたあたしは、ふと思い立って足を止める。
「笠原くんにね、携帯の番号とアドレスを教えたんだけど……」
「へっ?そうなの?勇気あるねぇ」
……勇気あるねぇって。
それは褒め言葉ですか?