love letter~由香~
5.
*バイバイ、笠原くん*
「今の話、どういうことだよ」
すべてを聞かれていた。
笠原くんは眉間に皺を寄せ、あたしと聡くんのそばにゆっくりと近づいてきた。
聡くんは余裕の表情だったけれど。
あたしは……。
血の気がゆっくりと引いていくのを感じていた。
「ちょうどいいや、章吾。ネタバレといこうか」
「はっ? ネタバレ?」
笠原くんの鋭い視線が、一瞬、あたしに向けられる。
あたしはまっすぐに見ることができず、目を左右に泳がせた。
「俺と由香が付き合っていて、おまえ、何とも思わなかった?」
「……別に。むしろ、せいせいしたよ」
「そうか」