love letter～由香～

一瞬、笠原くんの顔が頭をよぎる。

見られたりしてない……よね？

もしも見られたとしても、変な誤解なんかしていないよね？



「ねぇ、由香。笠原は無理だと思うよ？」

「そんなことない。頑張れば、きっと報われるときがくるんだから」

「……こんな状態で、いつ報われる日がくるわけよ。笠原おっかけて、気づけばオバサンになってました、なんて笑い話にもならないわよ？」



ありえそうな未来だなぁ。

でも、振り向いてもらえないからあきらめる、なんてことは、あたしの意に思い切り反しているわけで。



「あたし、絶対に笠原くんをあきらめないよ？」

「……もう！」



呆れ果てた愛美は、いらいらした顔つきで眉間に皺を寄せた。