love letter~由香~
言われてみれば、納得できるなぁ。
もしも逆の立場だったら、今までしつこく言い寄ってきた人に突然冷たくされたら気になるし。
『ねぇ、何かあったの?』
なんて、あたしの方から声かけてしまうかもしれないし。
この作戦を決行したら、笠原くんもきっと……。
『おい、尾関。なに無視してんだよ』
納得いかないって顔しながら、あたしにそう話しかけてくるはず!
「……由香?」
「いいじゃない、いいじゃない!この作戦」
愛美は、やれやれといった様子で首を左右に振りながら、立ち止まったまま妄想に溺れきっているあたしを残してさっさと立ち去っていった。