love letter~由香~
今のって、あたしに話しかけたんだよね?
いつもだったら、無視して立ち去るところなのに。
『バカじゃね?』
確かに笠原くんは、あたしの目を見て、そう言った。
愛美が教えてくれた作戦、めちゃくちゃ効果ありじゃないの!
もしもあたしが、いつもの調子でノートを渡していたら、こんな事態にはならなかったはず。
「おい、尾関。何ニヤついてんだよ。気持ち悪ぃぞ」
「……幸せすぎるわ」
「はあ!?」
あたしは小躍りしながら、残りのノートを返し始めた。