love letter~由香~
*最愛の……*
平凡だけど、幸せな日々が続いていくのだと思っていた。
笠原くんとも、少しずつ話せるようになって……。
仲良しになれたら、もう一度、今度は手紙なんかじゃなくて、面と向かって思いを伝えようって……。
――……そう、決めていたのに……。
「ねぇ、あの子、また来てるよ?」
「……うん……」
笠原くんと話せるようになったあの日。
あれはやっぱり夢だったのかな。
話せるようになった翌日、笠原くんは、いつもの笠原くんに戻ってしまった。
浮かれながら話しかけてきたあたしを、当然のように無視して。
また、振り出しに戻ってしまった。
こんなことで落ち込んでいる場合じゃない。
振り出しに戻ったのなら、また進めばいい。