love letter~由香~
「なにが違うんだよ。意味わかんねぇし」
しつこいくらいに鼻で笑い飛ばす笠原くん。
あたしは、口をついて出そうになる言葉を、何度も何度も呑み込んだ。
『あたしが聡くんと付き合っているのは……』
キュッと一文字に固く結んだ唇が、微かにふるえる。
あたしがいま抱えているこの気持ちを、いっそのこと告白してしまおうか。
もう、限界だよ……。
そう思って、「あのね」と切り出そうとした瞬間――。
「由香!」
「章吾くーんっ」
場を離れていた聡くんと成美ちゃんが、示し合わせていたかのように戻ってきた。