love letter~由香~

隠し事はよくないと、あたしはすべてを話した。

もう笠原くんを好きじゃないと言ったこと。

今は聡くんだけを好きだと告白したこと。



「そっか。つらかったな」

「………」

「でも、嘘も方便。時として、嘘は良い方向にいくこともあるんだ」

「そうかな」

「そうだよ。たとえば、由香が本当に俺のことを好きになってくれたりとか?」

「え……っ」



気まずそうな顔をしたあたしを見て、聡くんはぷぷっと吹き出す。

そして、あたしの髪の毛をクシャクシャにしながら言葉を続けた。



「うそうそ! 冗談だって!」


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