チェンジ!


その話を聞いた奈々子も、きゃあきゃあと騒いだ。



「ナオト、美保のために彼女と別れたなんて!

まだ美保のこと好きだったんだね!
やっと二人、うまく行くんだぁ!」



‥‥やっとうまく行く、か。


そうだよな。

美保とナオトには、俺の知らない過去があって。
辛いことや流した涙を乗り越えて、やっと幸せになれるんだ。


美保のことを思うなら、
二人がうまく行くことを願うべきなんだよな‥‥。




「美保とナオト、うまく行くといいねっ」


何も知らない奈々子が笑顔で俺に言う。


「‥‥あぁ、そうだな」


俺は精一杯の笑顔を作って、それに答えた。


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