チェンジ!
「この野郎っ!ふざけんなよ!」
ケツを蹴り上げられた奴が俺を殴ろうとして拳を繰り出したが、
全力疾走で駆け抜けた俺達には当たらず、拳が空を切る。
俺は美保を連れて、全速力でその場から逃げ去った。
逃げるなんて、格好悪いのは分かってる。
‥‥けど!
ケンカの弱い俺なんかが美保を守るには、こうするしかないんだ!
とにかく、俺が美保を守らなきゃなんねぇんだから!!
「美保、頑張って走れっ!」
俺は美保の手をぎゅっとつかんで、人ごみの中を必死に走り抜けた。