チェンジ!


「‥‥あぁ、準備な!
分かったよ、起きる起きる。」


そう言って俺はモソモソと布団の中から出て智也を見た。


「‥‥う、わ!
お前準備早いな!」


智也はすでに俺の高校の制服を着て、俺のベッドの前に立っていた。


「早く目覚めちゃってさ、そしたら楽しみで寝つけなくなって。
もう準備しちまったよ」


「遠足前の小学生みたいだな。

よっしゃ!智也も制服貸せよ、俺も着る」




‥‥そう言って、
俺は智也の高校の制服を着た。


「おぉ、いいじゃん。
やっぱK学園の制服いいな!」


「だろ?S高校のはほんとこれ、普通の学ランだな。
でもたまには学ランも新鮮でいいかも」


「中学もブレザーだったから、智也は学ラン初めてだもんな。
どう、智也。
鏡見てみて、ちゃんといつもの俺に見えるか?」


智也は部屋の隅にある姿見をのぞきこんだ。


< 21 / 296 >

この作品をシェア

pagetop