チェンジ!


その瞬間、
ひときわ激しい花火の音がして、俺は空を見上げた。

目に飛び込んできたのは、空に立て続けにあがっていく、無数の花火。




「スターマイン‥‥。」



花火大会のラストを飾る、特大のスターマイン。
数え切れないくらいの色とりどりの花火が、途切れることなく打ち上げられていく。



綺麗、だな。



ぽっかり穴のあいた心の中で、俺は静かにそう思った。




本当なら。



本当なら、美保はさっきみたいに俺の隣に座っていて


わぁ、綺麗!すごいね!
‥‥なんて言って笑っていたんだろうな。




そんなこと、
今となってはもう、あり得ない事だけど‥‥。


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