チェンジ!

『リョウ』は笑いながら俺のところまで来て、
隣に並んで一緒に歩きだした。

俺のこと『智也』って呼んだ。
よし、いいぞいいぞ、気づかれてない!



写真で見た顔だ。
ゆるいパーマのかかった茶髪に、大きな目のはっきりした顔。


ちらりと横目で右手を見ると、赤いミサンガをしている。
やっぱり、なかなかの美形だな。
何だかちょっとチャラそうな雰囲気だけど‥‥。





リョウが俺の顔をのぞきこんで言った。

「なぁー、智也数学の宿題やってきた?」

「へ、宿題!?」



な、何だそれ。
俺何も聞いてねぇけど‥‥!


「今日の帰りに提出のやつ、あったじゃん」

「え、俺、聞いてねぇ‥‥っていうか‥‥えっと」

俺が焦ってどもっていると、それを見たリョウがケラケラと笑い出した。



< 26 / 296 >

この作品をシェア

pagetop