チェンジ!
『リョウ』は笑いながら俺のところまで来て、
隣に並んで一緒に歩きだした。
俺のこと『智也』って呼んだ。
よし、いいぞいいぞ、気づかれてない!
写真で見た顔だ。
ゆるいパーマのかかった茶髪に、大きな目のはっきりした顔。
ちらりと横目で右手を見ると、赤いミサンガをしている。
やっぱり、なかなかの美形だな。
何だかちょっとチャラそうな雰囲気だけど‥‥。
リョウが俺の顔をのぞきこんで言った。
「なぁー、智也数学の宿題やってきた?」
「へ、宿題!?」
な、何だそれ。
俺何も聞いてねぇけど‥‥!
「今日の帰りに提出のやつ、あったじゃん」
「え、俺、聞いてねぇ‥‥っていうか‥‥えっと」
俺が焦ってどもっていると、それを見たリョウがケラケラと笑い出した。