チェンジ!


緊張してこわばっていた表情がゆるんで、
笑顔がこぼれる。


美保は、俺のことを許してくれたんだ‥‥!






「もうダメかと思ったよ。
分かってもらえて良かった!」



俺がそう言うと、
美保は照れくさそうに、笑った。

俺は美保と目を合わせ、さらに続けて言った。



「あとな、美保。

俺もうひとつ、美保にちゃんと伝えたいことがあるんだ。」



「うん、何‥‥?」









ごめん、の次に
美保に伝えたい、もうひとつの言葉。

花火の時は、伝えられなかった
大切な、二文字の言葉。




俺はまだ、伝えられずにいるから‥‥。

今ここで、君に伝えたい。







いくじなしな俺が
ふりしぼる、

俺の、最後の勇気。


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