チェンジ!
「まぁ、いいや!
じゃあ帰ろっか」
美保はそう言って笑って
松葉杖に手を伸ばし、ふらふらと歩きだした。
俺は美保の荷物を受け取って美保の隣を歩く。
俺はちらりと横目で美保を見た。
俺よりも15センチくらい小さい美保は、
これだけ近くから見るとかなり見下ろす形になる。
意思が強そうだけど決してきつい感じはしない、優しくて大きな目。
こうして上から見ると、長いまつげが何だかとても綺麗に見える。
「ちょっとぉ、聞いてる!?」
そう言って、美保が俺の顔をのぞきこんでふくれっ面を作る。
俺は、はっと我に返った。