チェンジ!

さっきここまで歩いてくるときに、美保が言った言葉。



『私、嘘をつかれるのが本当に嫌いだし怖いんだ。
騙されるのってすごく悲しいから‥‥その人を信じられなくなる。』




‥‥その言葉を聞いた瞬間、俺の心はチクリと痛んだ。


俺は今、美保に嘘をついているよな。
だって俺は正志であって、智也じゃないんだ。



『騙している』感覚なんて、もちろんなかった。
ただ面白そうだと思って遊びでやり始めただけだし。



‥‥だけど。

嘘をついていることに変わりはないよな。




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