チェンジ!
もし俺が『佐々木正志』だと美保が知ったら。
もし俺が『佐々木智也』のふりをしてみんなを騙すような真似をしていると美保が知ったら。
その時、美保は俺をどう思うんだろう‥‥?
どんな目で俺を見て、どんな事を俺に言うんだろう‥‥?
‥‥そう思うと、俺は途端に怖くなってしまった。
さっきまで俺の話を聞いて笑ってくれていた美保。
色々な話を、俺に飽きる隙を与えないほどたくさん話してくれた明るい美保。
そんな美保の笑顔を、俺は失うんだろうか‥‥。
智也になりすましているなんて、言えない。言うのが怖い。
‥‥けど、いつかは言わなきゃいけないよな。
俺は小さくため息をついた。
「帰るか‥‥。」
そして俺は自転車にまたがり、来た道を家に向かった。